庭師さんの春

庭が最も華やぐ季節

満開の牡丹

【卯月の庭】

4月にもなればどこの家庭の庭木も公園も緑一色になりかけてきます。 葉っぱだけでなく多くの植物も鮮やかな花を咲かせるので、誰もが心がときめく季節であることはカメラ片手に野外で写真を撮影するのが趣味というカメラマニアでなくとも重々承知しているでしょう。 4月の花で一番心躍らされるのは桜でしょうが、それ以外にもカイドウ、ライラック、ドウダンツツジ、ハナミズキなどが植物園では咲き乱れます。 なので春は満開の花を愛でるのに心を奪われてしまいそうになりますが、この時期に完了させておきたい作業もあります。 それは挿し木で、枝を切って地面に挿し増殖させる方法です。 4月にやりたい挿し木ベストテンを発表しますと、ツバキ、イヌツゲ、キャラボク、ドウダンツツジ、リュウキュウツツジ、クルメツツジ、エンコウスギ、マサキ、サツキ、アジサイになります。 順位はこの通りではありませんが、上記の草木を挿し木するなら4月にやりましょう。

【皐月の庭仕事】

5月もフジやバラ、ハナミズキ、シャクナゲなどが美しい花びらを魅せ付けてくるので美しいものが大好物な方にとっては先月に続いて堪らない季節です。 植木屋さんも活発になる時期で、5月は生垣を刈り込むために市内を駆け回ります。 生垣は刈り込みをしないで育つがままに放置すると、見栄えのよくない形状になってだらしのない印象を見るものに与えてしまいます。 それだけなら我慢できるのですが、枝の出方も悪くなり生垣の寿命を縮めることにもなるのでその防止策としても刈り込みは定期的に行いましょう。 年が明けて一回目の刈り込みにベストタイミングなのがこの5月で、新たな枝が伸びる成長が1段落したくらいの時期が望ましいのです。 重点的に刈るのは真ん中よりも上の部分で、それよりも下の方は優しく扱う気持ちで丁寧に仕上げます。 自分でやり遂げる技術があるのなら自力で、そうでなければ植木屋さんにお願いしてこの手入れは完璧にやっちゃいましょう。

【水無月の庭】

日本の6月は梅雨がありますので、ジメジメとした気候になりやすい毎日です。 風通しが悪かったり陽射しが足りないと病害が発生しやすくなってしまうので、晴れた日には剪定をしてあげましょう。 前日に「明日の天気予報は晴れか、いっちょ庭木の剪定でもやるかな」と決めておけば当日も気合が入るでしょうし、どんな感じに作業を進めていくのか段取りも組み立てられるので計画的に進めるのはいいことです。 しばらく雨が続きそうなら作業開始は晴れるまで待ったほうがよく、天気予報次第ではその間他の事に時間を割くことも考えて、天気と折り合いをつけて剪定をやります。 無理して雨の中で作業を行おうとうすると、ずぶ濡れになって風邪をひいたりなんかのきっかけで虫歯になる危険があります。 プロの植木屋さんですら雨天に剪定はやりませんし、6月は空模様を気にしつつ植木のお世話をしてあげましょう。